【トラック構成】 |
Tr.1 雨に霞むエリノ -Elyno, fragile shadow in the rain- |
6月12日。時計はその日付を示す。天気は、雨。 時刻は、『ここ』でのそれは分からない。けれど間もなく私はここから『消える』。 |
Tr.2 霧のモノクロームシティ -No Colors- |
6月17日。……多分。周囲は、霧に霞んだ無彩色の街並み。 窓も明かりもない無機質なビルの群れ。人がいるのかも定かではない。 |
Tr.3 時流断層回廊 -Worst World Error- |
6月19日。未だ『次の世界』には辿り着かない。観測できる『情報』はなし。 多分、ここは『世界の狭間』。『世界』になりきれなかった『時流』の残滓。 |
Tr.4 ゴースト・コーストを眼下に望み -Haze of Unknown- |
6月22日。靄のかかる海が足元遥か下に見える。私の知る『海』とはどこか違う。 エメラルドグリーンの海から立ち上る靄は、まるで意思ある幽霊のように悲しげに舞う。 |
Tr.5 今宵、静かに傘を閉じ -Before the Transferring Nights- |
7月9日。この『世界』には二日ほど居る。陽は一度も昇らない。 次の世界へ私を誘う『雨』はまだ降らない。一人、傘を閉じてその時を待つ。 |
Tr.6 シンクロニシティ・ゲート -Rain to Rain- |
7月10日。ようやく『雨』が来た。私は静かに傘を広げる。 雨降る町から雨降る町へ。『時面飛翔』の扉が静かに開く。 |
Tr.7 連環因果の消失境界 -Over the Vacant Dimension- |
5月25日。……まただ。私自身の『時流』が乱れている。 隔たりの大きい世界の間を『飛翔』する際、己の因果が損なわれると確か聞いた。 |
Tr.8 残響都市 -Urban Echoes- |
9月26日。ここは久しぶりに活況ある『世界』の街。交差点には人々と車が行き交う。 けれど、私の『焦点』が合っていない。彼らは残像と残響を残し、私をすり抜けてゆく。 |
Tr.9 時面飛翔現象に関する臨床記録 -Elyno Tokiwa, subject code.0- |
被験者番号0。私は……常葉絵梨乃は。此処に居て、かつ此処に居ない。 私が図らずも引き起こす『時面飛翔現象』の研究は続いている。けれど未だ答えは出ない。 |
Tr.10 無限落下少女 -Swing by Cross-Time- |
時間と可能性の平面座標上に果てなく広がる空間世界の水面。開闢の鐘より時面事象の地平へ。 限りなく永遠に引き伸ばされた落下軌道の中、私は歪んだ位相幾何学の夢を見る。 |
Tr.11 泡沫の水晶球 -Transient Crystructure- |
11月11日。希薄な影、霞む光。崩れるよりも早く消失してゆく水晶世界。 この世界は今まさに「消える」途上。始めから何も無かったかのように、存在の泡は弾けゆく。 |
Tr.12 エル・アフェリアの天秤 -時力振子の担い手- |
あらゆる『時面』に等価に存在する私は、次に自身が観測された世界へと『飛翔』する。 あたかもそれは、運命選定の原初存在エル・アフェリアが指し示す振り子。 |
Tr.13 不確定性未来 -Unknown Future is Here- |
12月24日。ここが過去なのか未来なのかは分からない。私自身の時間もまた不鮮明。 不確定な未来のように真っ白な雪が、雨の代わりに私の進む道を染め上げる。 |
[ 全曲クロスフェードサンプル( mp3 ) ] |